シクラメンの夏越し・休眠させない夏越し

2019年1月9日春の花,多年草,季節の花,宿根草,球根植物,サクラソウ科

シクラメン 

科名 サクラソウ科 多年生植物
属名 シクラメン属
花色 赤・ピンク・白・赤紫・紫
学名 Cyclamen 草丈 20~70cm
耐寒性 やや弱い 日照条件 室内の日向
耐暑性 弱い その他 冬は室内 球根植物
 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花🌼🌼🌼🌼🌼🌼
肥料🍦🍦🍦🍦🍦🍦🍦🍦
植え付け
植え替え
🌱

冬から春にかけて綺麗な花を沢山咲かせたシクラメンは、5月頃になると日本の夏の高温多湿に耐えらず球根が腐り枯れてしまいます。
花が終わり5月頃になると葉がなくなりそこで廃棄する事が多いですが、
夏越しさせて秋に再び綺麗な花を開花させることができます。
夏越しさせる方法は2つあり、
休眠させる方法と休眠させない方法です。

夏越しを言われた通りにきちんとやってもやはり高温多湿に非常に弱いので成功する確率は低いです。
かと言ってずぼらに管理しても成功する場合もあります。
5月の時点で葉が全部なくなっていたら休眠させます。葉が残っている場合は休眠させないで継続的に水をやり夏越しします。
今回は葉が残っていて休眠させないで夏越しさせる方法を見ていきましょう。
(筆者のシクラメンは休眠させない方法で、室内で結構ずぼらに管理しましたが夏越し成功し葉茎は伸びて少なめですが沢山の花を咲かました。お住まいの環境や球根の状態はそれぞれなのでやってみないとわかりません。夏越しに興味があっての訪問だと思いますので、枯れる確率が高い事を頭に入れた上で是非とも廃棄せずに挑戦してみてください。)

1.月別・休眠させない場合の管理法

シクラメンは高温多湿に非常に弱く、20度以上になると葉が落ち始め、30度を越すと枯れてしまいます。
そこで夏越しさせる為の方法を月別でチェックしていきます。
シクラメンは多湿になると細菌性の球根腐敗病になり枯れてしまうなので※ベンレート水和剤(ベノミル剤)を撒いておくと予防する事ができます。必ず必要な訳ではありませんがあるとより成功しやすくなります。
葉があると夏の間も葉から球根に栄養を送り太らせるので水やりは継続して行います。
黄色くなった葉は放置せず速やかに刈り取ってください。
途中で葉がなくなった場合はそのタイミングで休眠させ、9月までは水やりを一切やめ、雨が当たらない明るい日陰の風通しが良く涼しい場合で管理します。
9月中旬辺りで葉が出れば夏越し成功です。

※ベンレート水和剤とは
多くの病害に対し予防・治療の効果をあらわす多用途の殺菌剤。球根腐敗病は気温が20度以上で発生しやすくなるので、4月〜5月中に球根を消毒しておくと良い。

1.5月の管理(必ず葉が残っていること!)

◇置き場所◇
戸外の風通しの良く涼しく雨が当たらない場所へ。
風通しが悪いと土中の温度があがり株が弱り枯れてしまいます。
雨は厳禁。室内は暑くなりますし風通しが良くないので避けたいところですが、管理に適した場所が戸外にない場合は、風通しの良い窓辺のクーラーの風が当たらない場所で管理してください。

◇日光◇
半日陰(午前中のみ日が当たる)
もしくは明るい日陰(なるべく戸外の日の光がある明るい場所での日陰)

◇水やり◇
土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。
この時注意してほしいのが
球根に直接水をかけないという事です。
球根に水をかけると球根上部に水が溜まり腐ってしまうので、肢の細いジョウロで球根を避け鉢の縁から優しくあげて下さい。
受け皿、底面給水鉢は鉢底を必ず外し流れ出た水を捨て、受け皿に水が残らないようにしておきましょう。

◇肥料◇
1〜2週間に1度薄めた液肥をあげます。
葉があると言っても休眠時期なので必ず液肥は通常よりも薄めにしてあげて下さい。
球根にかからないように!。

2.6月の管理(降雨は必ず避ける)

◇置き場所◇
5月下旬と同じ。梅雨に入るので必ず雨の当たらない軒下の風通しの良い場所で管理します。

◇日光◇
5月と同じ。真夏の直射日光に弱いので、この時強い直射日光が当たるようであれば、日中明るい日陰になる場所に移動させましょう。

◇水やり◇
10日前後を目安に表面が乾いてから2、3日おいて、球根を避け鉢の縁から静かにたっぷり水を与えます。
梅雨に入ると多湿になりシクラメンにとっては非常に辛い時期です。
水を与える頻度に注意しましょう。

◇肥料◇
6月からは肥料を月1度液体肥料を与えます。

3.7月の管理(とにかく風通しの良い明るい日陰に)

置き場所
梅雨が明けたら風通しが良く涼しい明るい日陰に異動させます。
室内の場合は陽の当たらない明るい場所、換気をよくして風通しの良い涼しい場所で管理します。
室内は風がなく気温が上がりやすいため必ず風が通る場所に置いてください。
この時クーラーの風は乾燥するため当てないようにしましょう。

◇日光◇
直射日光に当たると葉が焼け落ち、暑さで枯れてしまうので直射日光は避け、日中日が当たらない明るい日陰で管理します。

水やり
梅雨が明け季節は夏、高温多湿になるとシクラメンの球根は暑さで弱り、葉も以前より少なくなり根も水を吸わなくなるので、1〜2週間に1度程度にして頻度を抑え気味にしましょう。

肥料
7~8月は暑さで球根が弱るため肥料は一旦ストップします。

4.8月の管理(植え替え)

◇置き場所◇日光◇水やり◇肥料◇
全て7月と同じ。

植え替え
8月下旬〜9月上旬に植え替えをします。

用意するもの
底面給水鉢の場合
●一回り大きい底面給水鉢
●シクラメン専用土
orブレンド土(赤玉土6・腐葉土3・パーライト1)
鉢底ネット

普通の鉢の場合
●一回り大きい鉢
●シクラメン専用土
orブレンド土(赤玉土7・腐葉土3)
●底石
●鉢底ネット

植え替えの際は一回り大きい鉢に植え替えます。
今のより大きい底面給水鉢がない場合は同じ大きさでも構いません。
根を崩すと株が弱ってしまうので、根を崩さないよう軽く土をおとし球根の上部半分〜3分の1程度を地上に出し植え付けます。
普通の鉢の場合は底石をしっかり敷き詰めて水はけをよくしてあげましょう。

5.9月の管理(新芽が出始める)

置き場所
まだ残暑が残る間は7月と同じ。

日光
残暑が残る間はまだ直射日光は避けます。地域によりますが9月中旬〜下旬の涼しくなった頃に徐々に半日陰に異動させましょう。

水やり
新芽が出始め涼しくなってくると給水が早くなりますが、まだまだ葉が少ないので表面が乾いてから2〜3日あけて水を与えてください。

◇肥料◇
この頃から新芽が出始めるので、液体肥料を2週間〜月に一度与えていきます。

6.10月以降の管理

置き場所
10月に入り冷たい北風が吹き始めたら戸外の半日陰へ。
寒冷地にお住まいで室内で管理する場合は窓側の午前中日が当たる場所へ。

水やり
11月には外していた底面給水の鉢底も元に戻し、吸水皿から水を与えます。

寒さが増して来たら
地域によりますが霜がおりる前、10月~11月で最低気温が10度を下回る前に室内の日の当たる窓側に異動させます。
シクラメンは寒さに弱く霜に当たると枯れてしまいます。
暖房の風が当たらない所で管理し、部屋の温度が5度を下回らない、尚且つ15度~20度以上にならないように気を付けましょう。

葉組み
購入時花が中心になり葉が花の周りを囲んだ形になっていますよね。これは葉組みと言い、真ん中から生える葉茎を周りの葉にからませ中心に何もない空間を作り、球根を日光に当て、花茎が出てきたら中心に来るように整えてあげましょう。

7.おわりに

無事に夏越を終えたシクラメンは購入時のように葉を密に付ける事は難しいですが、早くて9月頃から綺麗な花を咲かせてくれます。
成功した時はとても嬉しいものです。
細々と述べてきましたが、あまり気負いせずまた咲いたら良いな〜ぐらいのゆったりした気持ちでやっていきましょう。